タスク表の中に終わらないタスクがどんどん溜まってしまう人へ
私は基本的に仕事のタスク管理はエクセル(今ならスプレッドシート)を使用して、新しいタスクをセルの上に追加して、終わったら塗りつぶすという方法をとっています。
しかし、このタスク管理というやつは、仕事の漏れはなくなるのですが、以外と精神を疲弊させます。タスク管理で一番つらいのは、放置されたタスクが蓄積されてしまうことです。とくにタスク管理になれてない新人スタッフなどに、タスク管理を勧めても、しばらくたって見せてもらうと、古いタスクがたまりまくっている事があります。どうやったら、もっとうまくタスクを管理出来るのでしょうか?
いろいろな仕事術の本を見ると、一般的にタスクの管理は、重要度と緊急度によって管理されることが多いようです。重要かつ緊急な仕事こそが、今すぐに終わらせるべき仕事であり、重要度も緊急度も低い仕事はそれほど重視しなくても良いというのは、すごく合理的な思考に見えます。しかし、これがどうやら落とし穴だという事が最近わかってきました。
重要度と緊急度で管理したタスクは、しばらく経つとある状態になります。終わってないタスクに、まさに重要度も緊急度も低いタスクがどんどん溜まって、新しいタスクを圧迫し始めるのです。そもそも、この重要度というキーワードが実はヤバイ。緊急度は締め切りなどから簡単に設定できます。急ぎの仕事を優先するのは当然です。しかし、重要度となるといったい何を基準にしたら良いか分かりません。なにをもって、そのタスクが重要であると数値化できるのでしょうか?あなたの人生にプラスになるような内容なのか?だれか人に頼まれた仕事なのか?それとも、お金が高い仕事なのか?実際にタスクを管理してきて、この重要度を厳密に設定出来たことは、過去を振り返っても私は無かったように思います。
その仕事が、もし他人にとって重要かどうか?というのであれば、それは実は重要度ではなく、緊急度のみで管理可能です。しかも、緊急度は、タスクに締め切りの日付を入れるだけで無理なく管理出来ます。なので、取り立てて問題にしなくても、タスク管理に慣れてない新人にも簡単に管理できる指標なのです。 ところが、この重要度の管理が出来ないために、実際にタスク表を見せてもらうと、あきらかに重要なタスクが放置される結果になることが多いのです。そして、重要度の設定が出来ず、さらに緊急でもなかったタスクが、タスク表に膨大に蓄積された結果、タスク表をリセットするか、タスク管理そのものを辞めてしまうという状況に追い込まれるのです。
つまり、重要度によるタスク管理は、あまり効率が良くないと考えられます。では、どうしたら、効率よくタスク管理ができるのか?もちろん緊急度のみのタスク管理でも、同じように緊急度の低いタスクはずっとタスク表のなかに居座り続けます。問答無用に古いタスクから終わらせるというのも一つの方法ですが、これもなかなかうまくいきません。時間は限られており、実際は緊急の仕事を絶対優先しないといけないので、自然に緊急の仕事しか終わらないタスク管理になってしいます。緊急の仕事しかしないのであれば、そもそもタスク管理なんかほとんど要らないのです。仕事の漏れをなくすという役割を果たさなくなってしまうからです。 そこで、重要度に変わる新たな指標を考えてみました。実際にこの指標によってタスクを管理すると、驚くほど全体のタスクが消化されるようになります。
その新しい指標というのは、
「やりたくない仕事」を管理するという事です。
タスクの中で、どれが一番やりたくない仕事か、これは「やりたくない度」という数値化ではなく、タスク全体の中でたった一つだけ設定します。そして、一番やりたくない仕事をまず終わらせるのです。立て続けにこのやりたくない仕事を設定する必要はありません。1日一回〜四回だけ、設定します。タイミング的には、タスク表に新しいタスクを追加するときが良いでしょう。タスク管理の基礎として、毎朝タスクを追加するというものがあります。タスクを追加するときに、仕事が整理されて1日の行動が決まるからです。タスクは容赦なくどんどん追加しましょう。タスク管理がうまく出来ないとどんどん溜まってストレスになりますが、タスク管理ができるようになると本当に沢山の仕事を処理できるようにあります。もちろん、追加したタスクが全部消化されてしまえば、そのときも新たなタスクを追加するタイミングです。
タスクを追加した瞬間に、一番イヤな仕事を一つだけ選ぶのです!
この方法を実践すると、ある事実に気が付きます。そうです。重要度を設定するときに、重要度を低く設定してしまっていたタスクに居座り続ける仕事の正体は、実は「重要ではない仕事」ではなく「やりたくない仕事」だったのです。無意識にそうやって、やりたくない仕事を排除してしまっていたのです。
しかも、このやりたくない仕事は、すごく大変な仕事という事もありません。もし、タスクの中に、あまりにも難易度が高く時間がかかるために手をつけてない仕事があるとしたら、それはタスク管理の基礎である仕事の分解が出来てないという事になります。たとえば、作品を一本完成させるというタスクを一個にしたら終わるはずがありません。数学の素因数分解を思い出して下さい。あの要領で仕事を限界まで分解するとタスク一個はせいぜい10分〜1時間くらいで終わるものになります。その中でも、一番やりたくない仕事が、実はタスク全体においてボトルネックになる仕事なのです。そして、このやりたくない仕事を見つける方法はわりと簡単です。タスクの下の方に放置されて残っている仕事がだいたいやりたくない仕事です。なお、必ず下からやるというのはちょっと違います。新しく追加された仕事でも一番やりたくないと思ったら、その日の最初の仕事にするのです。
しかし、これでタスクの管理としては、かなり洗練された状態になりますが、ひとつ問題が残っています。やりたくない仕事は、ほんとう手がつかないほどやりたくない場合があるということです。私は、請求書を書いたりする事務処理が苦手です。ついつい簡単な事務処理でも後回しにしてしまいます。人によって、苦手な仕事はいろいろあると思いますが、「苦手=時間がかかる」とは限りません。しかし、精神的にはとても難しい仕事なのです。
このやりたくない仕事タスクから選びだしたら、次にやることは、このタスクをどうやって精神的に乗り越えるかです。これには、昔から使われている単純な手法が有効です。そうです。嫌な仕事を終らせるには、「ご褒美」を設定するのです。この仕事を終わらせたらなにか自分に「ご褒美」を与えようと言うものです。これは、かなり有効な手法です。しかし、「ご褒美」にお金をかけすぎるわけにもいかないし、「ご褒美」のネタが思いつかないこともあるでしょう。
そこで、一番簡単な生理的反応をご褒美に利用します。そうです。毎日必ず人間が自分に与えているご褒美がありますよね?
朝起きて、会社に出社して、最初にやる仕事を、タスクの中にある一番イヤな仕事に設定します。そして、その仕事を終わらせるために「ご褒美」を設定します。そのご褒美に最適なものは、食事です。
午前中にひとつ、タスクの中の一番イヤな仕事をおわらせたら、昼ごはんを食べる。これが一番簡単なご褒美です。
この方法で、朝ごはん前にひとつ、昼ごはん、おやつ、夕食と最大4回ご褒美を設定可能です。ただし、ご褒美といっても特別に沢山食べる必要もありません。嫌な仕事がおわったので食事にしよう!というレベルで良いのです。 逆に、あまり食事の内容に凝りすぎるとエスカレートするので、過度なご褒美を設定するのは、やめておきましょう。
この食事をご褒美というのは、実はペナルティの役割も持っています。嫌な仕事が終わらなければ食事が出来ないというペナルティです。お腹が空いてき、はやくご飯を食べたい…。そういう精神状態になれば、嫌な仕事を終らせるスピードもアップするものです。最初は無理をせず、午前中だけでもひとつ嫌な仕事を終らせるつもりでやってみるのは如何でしょうか。昼休みが決まっているのであれば、昼休みまでに確実に一番イヤな仕事が終わります!
この嫌な仕事を一つ終わらせる。というタスク管理を実際にやってみて、はっきりわかったのは、嫌な仕事が一つ消えると、タスク全体を処理するスピードが明らかにあがるという事です。そもそも、そんなに嫌な仕事なんて無いんです。ただ、累積した嫌な仕事というのは、増えるほどにタスク全体を圧迫しはじめます。そして、タスク管理表そのものを見ない習慣が出来てしまうのです。
1日一個〜四個!嫌な仕事確実に終わる。嫌な仕事優先のタスク管理をぜひ実践してみては如何でしょうか?
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